映画DVD感想2題

借りてきて、観ました。期せずして刑事モノが2つ。って強引か。以下、いつものネタバレ気味な感想であります。

  • 「ロスト・メモリーズ」

2002年の韓国映画。観たいと思いつつ時が流れていたところ、タイミング良くビデオが出てたので、迷わず手に取りました。ま、SFファンタジーなのですが、韓国映画の題材としては思い切ったネタだなと思います。ある時点で歴史の進行が変わり、朝鮮半島を含めた東アジアがことごとく日本の版図となって21世紀を迎えている世界の話。舞台を日本に例えるならば、さしずめ、大戦末に本土決戦をやって日本という国は微塵も無くなって米国領ないしは国連の信託統治領になった世界…という感じか(あ、まんま「五分後の世界」の世界設定だわ)。で、『ああそうか、パラレルワールドでの刑事モノなのね』と頭に置いて観ていたら、実は…と謎解きが進んでいく。

話は、「朝鮮系日本人」刑事の苦悩が軸となっています。中盤以降、どんどん「陰謀国家日本」が前面に出て来て、少々暗い気分で観ていました。「JBI」のお偉いさんのタネあかしを聞いていると、日本人としてなんだかみじめったらしい気持ちになったし。もしかしたら、日本産の仮想戦記に対する皮肉があるのかも、と勘ぐってしまうほど。もとは主役の友人だった仲村トオル演じる刑事も…哀れ。まったく、あれは韓国にとってのハッピーエンドでしか無い。

公開当時にさんざん言われていたことでしょうけれど、1909年に伊藤博文がテロに斃れていなかったとしても、あんなにも歴史が変わる要因にはならないと思います。もちろん、あの映画の主旨として「安重根の行動は韓国の歴史にとって非常に重要だ」ということを描きたいのは判るんですが。2009年から100年しか歴史を遡れないという制約があったとして、タイムスリップ先がハルビンでなくてはならないとして…、日本に都合の良い世界を作ろうとするならば、1930年代初頭に飛んで関東軍と接触した方が効果的なような気もします。ま、いろいろ考えられそうです。

ところで、よく映画や小説で用いられる「変更された歴史に存在し得ないモノはただ一つの時間軸に収斂される」という設定っていかがなものなんざんしょ。ラストの感動に導き易いから便利だとは思うけど、死んだはずの登場人物が都合よく生きてて、なぜか収斂されてしまった世界の記憶を持っているかのような行動を取るのはなんだか、こちょばしい。素直に感情移入出来ない。

話は飛躍するけれど、タイムスリップ及び歴史改変を扱う作品で「多元宇宙」だと収拾つかないのかなぁ。うーん、「どんな世界もあり得るが、元々いた世界の歴史そのものに変更は加えられない」ワケで、歴史を変えたつもりでも要はとなりの宇宙にジャンプしてしまっただけで、もう元の世界には帰って来られない、なんてエンディングじゃ誰もハッピーになれないか…。だけど、多元宇宙の考え方なら例えばタイムパトロールなどの「時間の管理者」も不要だし(あ、ロスト・メモリーズにゃそんなの出てきませんよ)、色々話を膨らませられると思うんですけれどね。

  • 「踊る大捜査線 THE MOVIE2」

2003年の邦画。これまたようやく観ました。圧倒的に面白い。エンターテイメントってこういうことかと思います。2時間を超える長尺ですが、中だるみ無く出来事が起こるので、一気に見せますね。ものすごく大掛かりに展開される警察組織の行動に比べて、核になるべき事件の犯人たちのスケールはかなりしょぼいような気がしましたが、それは決してこの作品の面白さを削いではいないと思います。盛り沢山のエピソードの中で、ネゴシエイター真下警部(で肩書きイイのかな?)のこれからが気になります。確か、これから彼を主役にした映画が作られるんですよね。とても楽しみです。