STR-AN1000が家に来る前に、ひとつ修理しておきたいものがありました。1996年に札幌で入手した、TEAC製MDプレーヤー「MD-5」です。
30年近くにわたりMDの音楽を気軽に、結構いい音で聴かせてくれるマシンでしたが、昨秋MDが取り出せなくなる現象が発生してしまったのです。再生自体は問題なくできているのですが、取り出せないなら使えません。原因の推定としては、機構内で使われているであろうゴムの劣化ではないかとあたりを付けました。替えのゴムを入手したところから作業を進めずに数ヶ月が経過しておりました。
生成AI(Grok)による集合知の参照を助けに、分解していきました。途中過程を省いて結論を申しますと、修理はできませんでした。
歯車部分へのアクセスができなかったのです。下に示した写真以上に分解しましたが、MDの受入・固定・排出を行う機構部分と、緑色の基盤部分ががっちり固定されており、見えるネジを外して、引いても押しても捻っても外すことが叶いませんでした。仮に外せても、機構部分の奥深いところにプーリーがあるような感があるものの、目視することすらできませんでした。ただ、分解しながら、ある程度のメカニズムは見えました。MDを排出する時に、下の写真での白線で囲んだ部分が動くのですが、途中で止まってしまうのです。指で引っ張ればググッと何かを乗り越えたような感触があって正常な排出位置まで機構が作動するのですが、毎回指で引っ張るわけにもいきません。筐体に穴を開けて、件のところまで棒を伸ばし、排出補助とする案も検討しましたが、現実的ではないと思い、止めました。
当時の設計者の意図は、もしかしたら『機構部分は分解させたくない』であったのかも知れませんね。って、そりゃそうか。
ゴムの劣化は避けられないのだから、ゴムを使わない機構にすべきだと思うのですけれどもね。ちなみに、ゴムベルトを使わず歯車だけでの直接駆動である可能性はないのかとAIに問いましたら、当時の普及機はほとんど全てがゴムベルトを使っているとのこと、まぁそういうことなのでしょう。
MD然り、LD然り。物理的に弱い部分が壊れたらその製品寿命も尽きるというのが、なんともやるせない気持ちになります。1990年代から2010年代頃まで、オーディオ・ビジュアル界の一時期に咲いた徒花であったのかも知れません。と書いたら辛辣に過ぎるでしょうか。
MDやLDに限らず、ビデオデッキも、DVD/BDレコーダー/プレーヤー(ややこしい)も脆弱なローディング機構を有しています。壊れたらそれまで、なのは同じ。儚い世界なのだなあ。
折しも、SONYがBDレコーダーの製造を中止するとの発表が2/9にありまして、なおさら世間の無常さに思いを致しているところでした。自分でも使ってはおりますが、動画も音楽もサブスク配信全盛。円盤に焼いて手元に残しておこうという動機が薄れていくのは世の必然であります。
というわけで、MD-5とはおさらばすることになりました。30年間ありがとうございました。
新しい(中古の)マシンを買ってまで手持ちのMDを聴くのかというと、そこまでの必要性を感じません。少なくとも今すぐ代替機を入手しようという気持ちにはなっておりません。


