感想二冊

先日の続きです。図書館に返却する前に書いとこっと。

天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

「天涯の砦」。ちょっと前に読んだ「時砂の王」で初めて小川一水のSFに触れた遅ればせファンの私ですが、この作品もイイと思いますよ。徹頭徹尾エンターテインメント性に溢れてて、最後の最後までドキドキハラハラさせられっぱなしでした。これはもしかしたら映画化もイケちゃうんじゃないでしょうか。と言うか観てみたい。

作品世界は、「カーボンナノホイール」(CNW)なる非常に便利な素材が普及して地球-月間の行き来が容易になった未来の話。月面には日本のも含む各国の植民都市が出来てます。静止軌道上にある宇宙施設<望天>には月往還船が発着する宇宙港もありちょっとした観光地になっててそこそこに賑わってるのですが、予期せぬ事故が起こります。すぐ隣は真空という宇宙空間での設備破壊。いくつかの要素が重なって助けなど期待できないスリリングな状況で、生き延びた人たちがどうサバイバルするかが見もの。私としては高飛車な少女に振り回される少年に感情移入しちゃいました。これまたアスカとシンジみたいな取り合わせで…ああ悪い癖だまったく(苦笑)。でもね、終盤グッと来る展開が用意されてるんですよ。正直たまりませんでした。

それにしても便利だな、CNW。回るカーボンナノチューブの輪が、導体ゆえに質量を加速する能力があるって凄いことですよ。本当にそんな材料出来たらいいなぁ~。あんなことやこんなことが簡単に実現しちゃうじゃない。なんて妄想がどこまでも出来るからSFは本当に楽しいですわ。

2005年のロケットボーイズ

2005年のロケットボーイズ

「2005年のロケットボーイズ」。巻末の解説にも書かれてますが、この内容なら「~サテライトボーイズ」の方がしっくりくるとは思いながらも、同テーマの先達の作品に対するオマージュなのはよく分かりますからこれでイイんでしょうね。

っちゅうか、TVドラマ化されてたんですね、2年も前に…。すっかり周回遅れの私です。ビデオ化されてないのかな? 観てみたいなぁ。

作品は、ひょんなことからキューブサットを作ることになった工業高校生がひとクセもふたクセもある友人たちや行きがかりの人々を巻き込んで奮闘する青春小説。10センチ四方の超小型人工衛星を造るワケですが、難しい数式などは出てきません。出てきてもなんとか付いていってやろうという構えで読んでましたが、必要ありませんでした。

饒舌なくらいに軽い文体で最近の世相など散りばめながら話が進むので当初は面食らいましたが、読みづらいことはなく、やや都合の良すぎる展開も気楽に受け入れて楽しめましたね。読後は実に爽やかな気分。それぞれの人物のその後はもうちょっと辿ってみたかった気もします。

追記:DVD-BOXが出てますね。了解、いずれ観ます。うっしっし。http://for-side.jp/dvd/rocketboys/