ちょこちょこっと打ってたパチの調子がまあまあだったので、もう一本映画を観ることにしてみました。
今度はグッと重いテーマの「ヒトラー最後の12日間」。食い入るように観ました。
言うまでもなく、国なり会社なり組織が崩れる時のギリギリの状況って、物事がダイナミックに動くからドラマチックなエピソードの連続です。しかもそれが戦争の最終局面だとなおさらです。日本には「日本のいちばん長い日」があるし、満洲国には「ラストエンペラー」がある。もちろんナチスドイツの最期を描いた作品はこれまでにもあったし、ヒトラーの伝記のような作品も作られていたワケですが、今回のように最後の最後だけをフォーカスして描いた作品の緊迫感ったら只ゴトじゃあないですわ。東部戦線と西部戦線が市電で行き来できるようになってしまった状況下で繰り広げられる人間模様。その醜さも余すところなく伝えています。エバ・ブラウンをはじめ取り巻きたちの、人間としての常識と総統への個人崇拝との間で懊悩する気持ち。そのゆらぎもきちんと描いているのに好感を持ちました。ヒトラーが死んだ後のさらに切迫する状況もしっかり作ってあって、非常に興味深かったです。少々長い上映時間の作品ですが、興味のある方はぜひ。
蛇足ながら、いろんなところで何度も書いてますけど、佐藤大輔氏の「凶鳥<フッケバイン>」映画化されないかなぁ。まさにナチスドイツ終末期のファンタジー大冒険活劇(ってか、ゾンビ物だけど)。あのラストシーンの爽快さを実写で観てみたいものなんですが…。
- 作者: 佐藤大輔
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