感想メモ

先日BS2で観た「いつか読書する日」(7日)と「深呼吸の必要」(8日)。思うところを記しておきます。

・「いつか読書する日」

起伏に富む街の中で静かに展開される、あえて言えば残酷な話。35年間温められてしまった恋心が、線香花火のように一瞬だけきらめく。

50がらみの男女の恋を描いて、観る人に好き嫌いはあろう。されど、全体のタッチを重々し過ぎずに描くことに成功しているので気にならず、観終えた後は爽やかな気持ちが残った。この作品の言いたいことはスッと腑に落ちた。きっと彼女は、一夜の思い出を含む、あの男性一生分の思い出を大切に抱えて生きてゆくのだろう。そこに至る思いを描くために費やされたプロットに過不足はなく、観ていて退屈になるということがなかった。

・「深呼吸の必要」

沖縄のさとうきび畑を舞台に、きび刈り隊のアルバイトとしてやってきた男女の集団が、起居を共にする中で葛藤や対立を経て相互理解に至り共通の目標に向かうという、物語の基本を押さえた分かりやすいお話。

途中、所用でTVの前から離れたりした時間が少々あったので、大事なシーンを見逃しているかも知れない。長澤まさみ演じる寡黙な女の子がなぜああいうことになったのか、観てない所で語られていたのだろうか。チラと見えた手首からの暗示だけでも十分だが。観たところ、他のメンバーについてはそれなりに説明がなされていたとは思うのだけど。

物語の安定点がおじいとおばあにあることは序盤で気付く。なので、きび刈り参加者のエピソードだけを追えば良いのだなと、ラクな気分に落ち着いてしまった。沖縄の風景や海の碧さに”よそ見”出来てしまうほどに。ここで意外性のある別の展開があれば、正座して観たかもと思う。

ちなみに長澤まさみを見て、恐らくはあのセカチューと同時期の撮影だったろうから、マネージメントサイドの苦労は相当なものだったろうな、と思った。日焼け出来ないものね。ただせめて、ラスト付近であの印象的なセリフを語らせた後はもっと喋りどころがあっても良かったんじゃないかな?